小津安二郎監督とキノエネ醤油株式会社


写真 左から2人目が小津監督
現 山下和子監査役は、映画監督・小津安二郎の姪(妹の子)にあたります。故 小津信三(小津安二郎監督の弟)は常務として昭和61年7月までキノエネ醤油に勤めていました。
小津監督の妹・とくは、昭和7(1932年)年に山下平兵衛商店(現在のキノエネ醤油株式会社)の第14代山下平兵衛社長と結婚し、以降、野田に住むことになります。

昭和21(1946)年2月11日、シンガポールの抑留所から帰国した小津監督は、同14日に母や妹のいる野田へ着き、とくが嫁いだ山下家(現在の東京ベイ信用金庫野田支店)の離れに住みました。
工場には、ボイラーの蒸気を利用した当時としては大きな浴場があり、監督の日記には、時々そこで入浴したり、電話をかけたりしたことが記されています。また、従業員の家族慰安会の時は、笠智衆や佐野周二などの俳優が同社に訪れていました(内部は見学できません)。

小津監督は、ここで一年あまり過ごし、昭和22(1947)年の夏ごろに清水へ引っ越し、あさゑと監督、弟夫婦が並ぶかたちで住むようになりました。
なお、山下家の建物は、監督が亡くなった昭和38(1963)年までありました。