伝統は、今に生きてこそ意味がある。

歴史

時代を遡ること、一九〇年。
キノエネの歴史は、天保の時代の幕明けとともにはじまりました。
以来、一世紀半の歩み。社会の変動、環境の変化、予期せぬ天災、
幾多の障害を乗り越え、一筋に貫いてきたことは
しょうゆづくりにかける一途な情熱と信念、そして努力。
現在も変わらず守り続けるその姿勢。
育て、守り続けているところに伝統の心があるのです。
目に見えぬものゆえ、大切にしたいその心。
キノエネの製品が世の人々の暮らしに息づく限り、
その心は消えることがありません。

こだわり

じっくり寝かせて6〜8ヶ月。もろみは、ゆっくり発酵をつづけ、熟成の時を迎えます。しょうゆが生きものと感じるこの過程。四季の温度や湿度といった自然のはたらきが品質を左右するだけに、根気と細かい心くばりが大切です。しょうゆづくりの原点は心なり、ということを教えられる過程でもあります。機械でできることは機械にまかせた方がはるかに効率的で合理的。しかし利き味や検査など、どうしても機械にまかせられない部分があるのもしょうゆづくりの特徴、190年の歴史の中で培った技の部分がしっかりと生きているといえるのです。

技術

190年の歴史の中で培ったその技を、さらに高度化し、より生産性を高める技術。その技術が求められていることも事実です。時代の要請ともいうべきその大きなテーマに応えて、新しい技を生かしていくことは、長い歴史を生きてきた企業として当然の姿勢。現在、着々と進めている近代化構想は、そのあらわれに他なりません。おいしさづくりのために、守るべきものは守り、変えるべきものは変える。それがおいしさへのこだわりということ。ひとつひとつの過程の中で、納得のゆくしょうゆづくり。これからも変わらぬキノエネの姿勢です。

旨さの極致を求めて。

おいしさ

人の手から機械の力へと形は変われど、昔も、今も、原理は同じ。熟成したもろみが圧搾されるこの瞬間。一滴にこめられたすべての思いがひとつになる時でもあるのです。しょうゆづくりの原点が心にある以上、大切なことは、地域に生きる企業そして、その地の良さを守り、育てていく努力です。そのために求められる生産ラインの合理化。原料調達から、製品、品質管理までが一貫した流れに基づいて進められています。すべてに「心」をモットーに、今日も、キノエネは、努力を重ねます。

未来

新しい時代、新しい世代のニーズに応えた新製品開発は、言うに及ばず、未来に向けての人々の嗜好を先取りしたおいしさの提案やその期待と可能性は、止まることを知りません。食を通して生まれる豊かなコミュニケーション。おいしい笑顔が集う食のシーンの広がり。暮らしの中のそんな場面を思い描いて「テイスティコミュニケーション」。明日へ、未来へ向けて、キノエネの限りない挑戦は続きます。